華氏911
「おい、いまさら見たのかよ」と言わんといてください。
今更見ました。『華氏911』。
マイケル・ムーア監督の勇気あるドキュメンタリー。
以前、彼の作品である『ボーリング・フォー・コロンバイン』では、アメリカとカナダの安全比較というシーンがあった。アメリカでは、”いつ黒人が襲ってくるかわかりませんよ!”と白人に警告するような、黒人事件ばかりがマスコミ報道されるために、白人は皆銃を持って、家には地下室まで作り、セキュリティ頑丈な家を造る。
しかし、アメリカを北上したカナダでは、人々は施錠せずに外出してもへっちゃらだったり、隣人を愛し、笑顔で受け入れ、差別がない。カナダは安全な国なんだ、ということを改めて認識させてくれた映画だった。
さて『華氏911』。噂には聞いていたけど、気持ちがいいくらいわかりやすいブッシュ批判。なぜ、どうしてブッシュがダメなのか、ということをきちんと事実に基づいて監督は撮っている。ひどくおもしろい。なぜイラク戦争が起きたのか、米国軍へ行かざるをえない貧困階級の若者たち。米国軍へのスカウト実態。ブッシュの顔がひどくマヌケ面に見える。いや、その通りなんだけど。
決してニュースでは伝わってこないリアルなドキュメンタリー映画。
カンヌ映画祭で史上最長級25分にわたるスタンディングオベーションがあったというのもうなずけるほど、最初から最後まで目が離せない、あっという間の映画だった。歴史や国際政治に疎い私でも飲み込まれてしまう。
そして、いかに日本は安全な国で小さな島国なのか、ということを改めて実感。